長門の食を世界へ発信し、
伝統食文化を未来へつなぐ

フジミツ株式会社・代表取締役会長兼社長
藤田雅史さん (※2020年1月取材当時)
豊かな漁場を有する長門は古くから蒲鉾の生産地として有名です。フジミツは長門で130年の歴史を持つ企業で、藤田雅史さんはフジミツの5代目にあたります。企業の代表の他にも、練り製品の価値向上を目指す業界団体で部会長を務めるなど様々な場所を奔走しています。

会社を経営される上で意識していることを教えてください

我が社が目指しているのは日本の伝統食文化(カルチャー)を世界(グローバル)へ発信する「グローカルチャー」な企業です。長門から世界へ、130年培ってきた文化の素晴らしさを広げていきたいということ、そして、世界の様々な文化や多様性を得ていくことが人間の成長を促し、会社を次世代につないでいく原動力たり得ることだと思っています。そのことを意識し経営しています。

長門の魅力を教えてください

野菜や魚など食材の美味しさでしょうか。一部商品には地元の食材を使用し、その魅力発信の一助になりたいと考えております。また、都市部では味わえないノーストレスな生活、コミュニケーション、コミュニティがあることも魅力です。それらの地域全体の魅力を伝えるために、客観性をもった情報発信を続けていくことが大事です。

長門の課題を教えてください

現在の長門の出生率は20年前の約半分です。そんな目に見えている問題があるのに依頼心が強い人が多い気がします。地域経済にプラスになることはなんでも本音でやっていかないと。長門は、交流人口では萩を抜き、観光業をはじめビジネスチャンスは増えています。定住人口とともに労働人口も増やすことで、このギャップを埋めていかなければなりません。

長門の若者へアドバイスをお願いします

世の中は多様性に満ちています。広い世界へ飛び出し、たくさんの人と出会い、コミュニケーションをとり、自分の考えや価値観を日々アップデートしてください。そして、自分が吸収してきたものを地元へ発信してください。長門の若者には大きな夢を持って歩んでほしいですね。そんな若者が増えていくことを期待しています。

今後の展望について教えてください

フジミツは今年で創業132年になります。5代目である私は、後世に伝統食文化をつなげていくことへの義務感と責任感をもって仕事に取り組んでいます。それが育ててくれた地元への責任だとも感じています。グローカルチャーを実践し、長門の食文化を世界へ発信していくことで、地域の食文化を守り、ともに成長していく存在でありたいですね。
フジミツ株式会社
フジミツ株式会社
☎0837-22-3355
http://fujimitsu.jp