大津緑洋高校・日置校舎の「食品加工班」の取組み

先日、2023年10月13日に「高校生と大人との熟議協議」「日置校舎の見学会」等が開催されました。

日置校舎について

大津緑洋高校は、2011年(平成23年)4月に同市内の県立高校3校(大津・日置農業・水産)が統合されて新設されました。

その中で、今回は『日置校舎』についてご紹介します。

日置校舎について

前進の『山口県立日置農業高校』は、1906年(明治39年)に、当時の大津郡日置村に日置村立日置農業補習学校が創立したことに端を発する。
昭和23年頃には、『山口県立日置農業高校』と名前を改め、俵山分校・向津具分校を設置するもその後閉鎖となり、2011年に現在の大津緑洋高校に統合された。2013年3月に最後の卒業生が卒業し、大津緑洋高校への承継式を実施し『山口県立日置農業高校』は、大津緑洋高校 に統合され日置校舎として今に至る。

大津緑洋高校のホームページおよび、wikipedia「山口県立日置農業高等学校」をもとに作成

日置校舎は、2つの学科がありその中でコースに分かれています。また、学科に関係なく総合実習や課題研究で専攻班にわかれた学習活動も行っています。

◎日置校舎の紹介【PDF】令和6年度入学生学校案内参照

専攻班活動の1つ「食品加工班」の3年生が、今後ますます高齢化・働き手不足になる中でも高齢者が豊かな食生活を維持できるよう、新しい「介護食」を作りたいと考えて動き始めたそうです。

加工班のメンバー

注目したのは、『フリーズドライ加工』。長期間保存でき、食べたいときにはお湯を注ぐだけという便利さ。そして、長門市には「ながとラボ」という、フリーズドライ加工のできる施設があります!

上記は、9月27日(水)にルネッサながとで実施された「学習発表会」の様子です。

企業と連携した商品開発の取組

10月13日に、学校運営協議会のメンバーに対して、高校生たちの学習活動の発表とそれをもとにした熟議が実施されました。

校舎ごとに、3つの熟議グループがあり、「日置校舎グループ」では、新しい介護食づくりに向けた取り組みの共有がなされたそうです。

写真提供:教諭 迫村嘉宏氏

「食品加工班」の3年生チームは、地域で6次産業を担う「ながとラボ」(運営:株式会社63Dnet)そして「有限会社長門アグリスト」(長門恵工房)をお招きして勉強会を行い、実際に試作品をつくって試食⇒改善点の洗い出し⇒対策を繰り返したそうです。

写真提供:教諭 迫村嘉宏氏

フリーズドライの加工にお金がかかる分、材料費をおさえるために、水産校舎でとれた食材を活用するなど工夫を凝らしたそうです。

これを書いている人は、違うグループにいたのですが。熟議内容の共有後に高校生に話を聞かせてもらいました。

事務局

水産校舎でとれたシイラを扱うとか、そういうのもいいですね。

ちなみに、何かそういう依頼があったの?

加工班メンバー

いえいえ、基本は私たちがアイデアを出しました!

それを先生方や企業の方に相談しながら、進めていきました。フリーズドライにして、お湯をかけての試食は6回くらいやったんです。

先日は、シイラを自分たちでさばいたんですよ!

実際に自分たちで取り組んでいるからこそ、苦労や喜びがダイレクトに伝わってきます。

日置校舎のキャンパス

日置校舎には、生徒の実習用に「農場」があります。

今回は、畑と牛舎を見学し、「農高夢市場」での買い物をしました。ほかにも、田んぼや果樹園があるそうです。

(参考)やまぐち総合教育支援センターのページに出ていた情報です【PDF

↑日置校舎からみた、農場です。奥の緑の建物は、堆肥舎だそうで、日置校舎の一画なのだとか。

農業部長の先生に案内していただきました!生徒と先生以外に、農場を担当される方が複数名いらっしゃり、この広い農場を管理されているそうです。

↑複数の種類の「玉ねぎ」を植えているそうです!夢市場でも、玉ねぎは人気なのだとか。

農高夢市場

↓農場で収穫したものや、加工品を毎週水曜日に販売しています。これはもう40年近い取り組みだそうです。

買い物に来た方に、新しい試作品の試食をしてもらったりするそうです。すてきな取り組みだと思います。

ポスターも、生徒が写真を撮って作成したそうです。

↑日置校舎のベーコンは、とても美味しいと評判です。見つけたら、手に取ってみられてください。

さいごに

気候変動や災害が増える中で、自分たちで「作物」を育てることができるというのは、すごく大切なスキルだと思います。

長門市に「日置校舎」があることにとても心強さを感じました。そして、育てるだけでなく保存(食品加工)にも取り組む姿に頼もしさを感じました。

今後も日置校舎の活動に注目していきたいと思います。

このたびは貴重な機会をありがとうございました。