新規高等学校卒業者の進路別の状況のデータをみるに、進学率がじわじわ上がっています。

こんにちは!NPO法人つなぐ事務局です。

「長門市でイキイキ働く人を増やしたい」と活動して7年目です。

就職フェアin長門2025を開催した次の日の、ハローワーク萩での会議で資料をいただきました。

「萩・長門地区」という少し大きな範囲でのデータです。数字そのものは表に出ていないようなので、紙資料を手入力し、割合を計算してみました。せっかくなので内容をシェアします。

萩・長門地区の新規高校卒業者の進路

そもそも、卒業者数が減っています。8年で、2割減少。

そんな中で「進学率」が10%以上アップしています。

2016年度の高卒で働いた人を100とすると、2023年度は60で、約4割減っていることになります。

こうなると企業の方が「最近、高校生が採用できない」というのも当然と感じます。

山口県の新規高校卒業者の進路

山口県の数字も出ていたので、同じ表を作成しました。

卒業者の数は、2割減しているので全体に少なくなっています。

ただ、就職者の割合は3割弱と、割合で言うと減っていません。萩・長門側でぐっと減っているのにキープしているので、山陽側では「就職者がそれなりにいる」と考えることもできるように思います。

AIに聞いてみました。

◎高校卒業後の進学率が上がっているのはなぜか

これはGPTに聞いてみた内容です。

ほんの8年くらいで、進学率が伸びているのはなぜか?

だんだん進学率が増しているとのこと。2020年4月からの、大学や専門学校の授業料免除や給付型奨学金が始まったことは理由の1つだと思います。

また、中高生の保護者の方に聞いてみると

「やりたいことを答えるよう求められる中で、高校卒業時に『やりたいこと』がなくて就職を決断できない気がする」との回答でした。「オープンキャンパスで楽しそうだったから、ひとまず専門学校にいくという傾向がある」「大学ではなくて、専門」との。

キャリア教育で「何をしたいの?」と聞かれすぎて、よくわからなくて不安になる、というのは盲点でした。すごく興味深く

そもそも、高卒で働く人の割合が全国1位なことはここにメモしておきたいと思います。

↓これは上記AIの回答の一部です↓

(高校卒業者の、地元就職率3割って少ないのですね。広島県と福岡県という都市部にはさまれていることが原因なのでしょうか?どんどん疑問がわいてきます)

なお、長門市には高校までしかないから「若い人が流出」して帰ってこない、というのは実際にそうだと思います。

しかし、だから地方に「大学」「専門学校」を作ろうというのは違うと感じます。

※神山高専やZEN大学の成功事例が目立ちますが、そのかげでたくさんの「地方」に作られた大学が定員割れしており、キャンパスを都心部に戻す動きも出つつあるのは、また別の情報源ながら、ここに書いておきたいです。

個人的には、望む人が全員大学に入れるといわれる時代、

進学で一度市外・県外へ出て、最初の就職なども都市部でしてみて「働く」という手ごたえや自分がどういう生活をしたいかの価値観を知ったうえで、「長門で働きたい」って戻ってこられるような地盤作り(仕事・求人情報、起業や副業なども含めた選択肢の提供、住まいの情報など)をコツコツしていくこと

が結局のところ大切と思います。

そのために、地域に愛着/いい思い出をもってもらって、気持ちよく送り出すくらいの心意気を持っていたい気もします(力付けたらできれば帰ってきてね、との願いも込めて)

(おまけ)GPTに質問を入れている様子を見て、地域おこし協力隊で来てくれている山田さん曰く「DeepReserch機能を使うとより詳細なレポートも作ってくれる上、調査元のリンクなどもくっつけてくれますよ」との。確かに、しっかり解説してくれて、とくに大学進学費用の補助があるのは大きい理由そうだと感じました。

ギモンに思ったことを、AIに解説してもらいながら、「なるほど」と思うことも多くありつつ「これは?多分違う」というのもあって、興味深いです。

そのほか

ちなみに、こんなデータも。

山口労働局

新規学卒者の求人・求職・就職内定状況

令和7年3月末現在[PDF形式:511KB]

※2025.6.16参照

短期大学と専修学校(県内だと、山口県理容美容専門学校、徳山総合ビジネス専門学校、山口コアカレッジ、YICなど)の卒業生は7割以上が県内就職しているのに、大学と高等専門学校(大島商船高等専門学校、徳山工業高等専門学校、宇部工業高等専門学校)での県内就職はとても少ないのが気になります。

→ 専門学校で学んで地元就職しているのだとしたら。

 県内の専門学校への奨学金を手厚くするとか、まだできることはありそうですね。

まとめ

と書きつつ、結論は出ないです。

萩・長門地区で、ぐんぐん子供の数が減り、かつ「高校卒業後に就職」する率も減っているという中で。

『100年続く長門』を目指す当法人が何ができるのでしょうか?

今働いている人を大切にすること、子育てや介護などをしながらでも年齢を重ねても「長く働ける」よう環境を整えること、子どもたちには地域やここにある企業に親しみを持ってもらうこと、一度出ていくとしても「帰ってきてくれたら嬉しい」とメッセージを送ること、自ら稼げる力や起業できる力をみにつけてもらうことーー。

進学率が上がっていること自体は、個人の視点ではいいことなのかもしれません。

答えはわかりません。

現実を踏まえたうえで、当法人が活動できる限りは長門で生まれ育つ子どもたちに「世界は広くて素敵だけど、地元もいいところだよ」と伝え、仕事とのマッチングの機会を作り、働く人へのスキルアップや、企業の経営強化・人的資本への投資支援などを行い、地域存続の可能性を探りたいと思います。

ここまでありがとうございました。