長門湯本でレンタサイクルを立ち上げた、片岸将広さん

こんにちは、つなぐ事務局です。

長門市内の、様々な「働く人」を紹介するシリーズ。

今回は、 長門湯本温泉の再生プロジェクト をきっかけに、長門に関わるようになり、2021年にレンタルサイクルYUMO(ユーモ)を立ち上げた、株式会社日本海コンサルタント所属の片岸 将広 さんを紹介します。

NPO法人つなぐスタッフは、YUMOの存在を知り、「長門学」(CS活動推進員としてお手伝いすることになった、地元県立大津緑洋高校大津校舎の、地域をテーマとした授業)での協力を依頼したご縁で、片岸さんとお話させていただきました。

満面の笑顔で「自転車って気持ちいいですよね~」「いろんな方の支援があってYUMOが出来ました。本当に感謝感謝です」「高校生に乗ってもらえて嬉しい」等など、とにかく明るくて腰が低く優しくて話しやすい印象の方です。

いただいた名刺には、工学博士とあり、日本海コンサルタントという見慣れぬ会社名。そして「石川県金沢市」とあります。

立ち話程度では細かく理解できていませんでした。

今回、この記事を書くことでいろいろ整理されました(苦笑)

レンタルサイクルと旬のハチミツを楽しめる『ハニーライド』開催

R4年5月22日(日)、「おとずれリバーフェスタ2022」の一環として、レンタサイクル「YUMO(ユーモ)公式インスタグラム(@yumo.nagato)」(長門市深川湯本1262番地1長門湯本ねこや商店内)の特別企画イベントとして、「ハニーライド」が開催されました。

午前中、3時間ほど。1,500円。

自転車に乗って長門湯本温泉街を抜け、養蜂家の話を聞き、ハチミツを食べ比べるステキ企画です。

それで片岸さんにお会いし、久しぶりにお話させていただきました^^

※※ハニーライドでは、「孫農園」に伺いました。その様子はこちらから(過去記事 孫農園の、こだわりのハチミツを作る藤田岳さん

YUMOとねこや商店、そして長門湯本について

いろんな団体やプロジェクト名がいきかう長門湯本。片岸さんをキーに、少しまとめてみました。

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長門湯本温泉モビリティYUMO(ユーモ)(長門市深川湯本1262番地1長門湯本ねこや商店内)

⇒長門湯本温泉発のレンタサイクル。株式会社日本海コンサルタントが実施・運営。公式インスタグラム(@yumo.nagato) 料金表などの詳細は、ななびの記事をご覧ください。

▶長門湯本ねこや商店

⇒ 店主は麓(ふもと)絵里さん。YUMOの現地スタッフとして、店舗の運営つまり予約受付や自転車の貸出等、そして現地ガイドとして長門市のことを紹介。イギリスの現役大学院生で博士論文執筆中。研究対象は都市再生や街づくり。コロナで通学がなくなったことで日本に戻り、偶然が重なって長門市に移住しYUMOを手がけている。

▶長門湯本再生プロジェクト

⇒2015年頃から持続可能な温泉地の経営を目指して始まった官民連携での一大プロジェクト。長門湯本温泉では、バブル崩壊後の宿泊客の減少、2014年の大型老舗ホテル廃業などから、当時の大西市長が決断し、公設の温泉「恩湯(おんとう)」のリニューアル、星野リゾートの誘致などに取り組む。「にっぽんの温泉100選で10位にランクインする」ことを目標に掲げている。

※DiscoverJapan TRAVEL(2021年4月号増刊)参照

株式会社日本海コンサルタント(本社:石川県金沢市、設立:昭和51年6月10日)

⇒建設コンサルタントとして街づくりの調査・企画・技術提供などを行う。長門には、道路交通分野での「長門湯本温泉観光まちづくりデザイン会議委員」として携わる。(片岸さんは、日頃は金沢を拠点に活動)長門湯本再生プロジェクトを経て、一般社団法人長門市観光コンベンション協会等と連携し、2021年9月より長門湯本にてレンタサイクル事業「長門湯本温泉モビリティYUMO」をスタート。

▶「長門湯本温泉観光まちづくりプロジェクト」が土木学会デザイン賞2021最優秀賞を受賞 

⇒総事業費26億円なんですね!その価値が認められての受賞です!詳細はこちらから 

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YUMOにご挨拶に行った時、最初は「エリさん」にお会いしました。

この方もすごくすごいです!!これまでスイスで働いており、イギリスの大学院生として、都市再生をテーマに論文を書いているが、コロナ禍でいろいろあって長門に来たそうです。長門をすごく気に入っていると満面の笑みで話されており、あまりの楽しそうな雰囲気に、こちらも笑顔になります。

※「ここいろ」の記事が詳しかったので、ここにリンクをおきます。

エリさんは、長門市に来てから、いろんなところに実際に自転車で訪れ写真を撮っており、「自転車で行くとこういう風景があるのか」と楽しく拝見しています♪(美祢線に自転車をのせて駅まで運び、そこから自転車で秋吉台を走ったりもされています!楽しそう!)

YUMO(ねこや商店)は、基本土日営業です。平日は事前電話予約が必要です。
おとずれリバーフェスタ 2022の、イベント前のときの様子です。

また今年で4回目を迎える「おとずれリバーフェスタ」などを主催する長門湯本温泉まち株式会社の代表は、当法人の理事のお一人でもある、玉仙閣の専務取締役の伊藤就一さんです。

玉仙閣のロビーにて。立ち姿がとてもきれいで、いつも柔和で落ち着いた雰囲気でいらっしゃいます。

YUMOへの思い

片岸 将広(かたぎし まさひろ)株式会社日本海コンサルタント 社会事業本部 計画研究室 担当室長 建設コンサルタント・プランナーとして、都市・地域計画、自転車交通計画、公共空間利活用、公民連携事業等に携わる。金沢市公共シェアサイクル「まちのり」や敦賀市「つるがシェアサイクル」の企画・導入・運営、道路協力団体制度を活用した「犀川リバーカフェ」の実施など、まちのプレイヤーとして活動。2021年9月から「長門湯本温泉モビリティYUMO」を立ち上げ、レンタサイクル事業を展開。1977年大阪市生まれ。技術士(建設部門:都市及び地方計画・道路)、博士(工学)。

長門湯本にて、長門市観光コンベンション協会と連携し、レンタサイクル事業を開始した片岸さん。

どういう思いを込めたのか?片岸さんの当時のfacebook記事に詳しかったので、一部転載させていただきます。(ご本人に確認済)

(2021年9月の投稿です)

長門湯本温泉のプロジェクトに関わらせていただいてはや5年目。 エリア交通計画や道路空間再編と並行して妄想し続けてきた新しいモビリティ。 色々と悩んだ末に、やはり愛する自転車からスタートすることとしました。 その理由を、パートナーとしてご一緒させていただくエリさんの問いが明確にしてくれました。

▼WHY

長門湯本温泉を起点として、長門やその周辺の素晴らしい魅力を、一人でも多くの方々に体感してほしい!

▼HOW

楽しく健康的な移動手段(アクティブモビリティ)を提供することで、クルマでは得られない体験価値を生み出したい!

(略)

本事業のスタートにあたり、たくさんの皆様・諸先輩方に大変お世話になりました。心より感謝いたします。

※一部筆者要約※

(抜粋以上)

観光の街に「バス」と「タクシー」、そして「自転車」は欠かせないと思っており、長門湯本に展開してもらって、一観光客としても大変ありがたいと感じます。

個人的な話なのですが。都市部で働いていたときは電車通勤でした。山口に戻ることになり、マイカーを中古で購入しました。そこから、スーパーもコンビニも車で移動します。移動距離はかなり長いのですが、まったく歩かなくなっており、運動不足を強く強く感じています(わかってはいるけど、ついクルマです)💦

YUMOが出来たことで、十数年ぶりに自転車に乗りました!これが、気持ちよい!

電動アシスト自転車だと、どこまでもいける気がします。(基本プランは4時間まで1台3,000円。なお長門市民は1,500円!料金一覧はこちら。そして、実際4時間あれば、長門湯本から俵山温泉まで行ってお風呂には行ってご飯食べて、また戻ってくることも可能なそうです。)

まさに風光明媚な長門だからこそ「休みの日は自転車で🚲」はすてきな提案だと思います^^

片岸将広さんの経歴等や長門での具体的取組み

長門湯本温泉の発信する「ながトーク」に詳しいので、ぜひ以下をご覧下さい

動画の中でもあるのですが、街歩きしやすくするのに「歩行者天国」ないし、せめて「一方通行」にしたかったものの、生活道路でも有り断念。

なお実験的に「一方通行」を試したり、土木研究所で発表されていた「道路幅を2.5Mにすると、クルマがかなり減速する」との調査結果をもとに、実証実験されたそうです。(一方通行の実証実験をゆるしてもらえるのは、かなり珍しいとのこと。長門湯本の方々の意識の高さを感じます)

実験で、対面にしたとしても2.5M幅だとクルマは減速し、歩行者が安心して街歩きが出来ることがわかり、今の景観があるそうです。

背景をきくと、街歩きがますます楽しくなる気がします。

さいごに

片岸さんとのやりとりの中で、以下のコメントがありました。

「道路空間再編はなかなか険しい道のりでしたが、長門湯本の皆様のおかげでなんとか全国初の取組としてうまく運用されていると思います!まだまだこれからですが、YUMOをやっているのは再整備後の長門湯本の状況をフォローアップし、微力ながらできるだけ伴走していく目的もあります。」

立ち上げたあとも、関わっていらっしゃるのはもちろんとして。ご自身がイベントなども積極参加され、「レンタサイクル」を活用しての街歩きに向けて実践されておられるその行動力。刺激をいただきます。

金沢市で手がけておられる、公共シェアサイクル「まちのり」もぜひ体験にいってみたいと思いました。

そして、たまたまなのか、気にしているから目に付くだけなのか、修士課程や博士課程を修了された方が、長門市で仕事している話を聞く機会が増えたように思います。

NPO法人つなぐは、若者がこの地に残ることや、進学を機に出て行ってしまっても戻ってくることを、前向きな選択肢としてくれるように活動しています。その中で「長門には、魅力的な仕事がない」とのコメントを聞くことが多くあります。実感としても、都会に比べたら選べる仕事は少ないと感じます。

ただ一周回って、大学院などで学んだ人が、仕事としてないしその知的好奇心を満たす意味でも、この地に集いだしているとしたら。それはそれで兆しではないかなと思います。

※学歴は重要ではなく「今、何をしているのか」が大切と考えています。なお、多様なバックグラウンドを持つ人が長門市で働いていることはワクワクします。いろんな背景や思いがある人と、中高生が対話するような機会を作っていきたいと考えております。

片岸さん、このたびは「ハニーライド」の企画をありがとうございました^^

YUMOの今後の発展と、次回の企画も楽しみにしています。