【長門の企業紹介】医療法人杏祐会 三隅病院

こんにちは。NPO法人つなぐスタッフのいわもとです。

長門市で、就職を考えたとき、どんな働き先があるのでしょうか?このシリーズでの投稿は久しぶりになってしまいましたが、少しでも情報を届けていきたいと思います。

2023.9月末に【三隅病院】さんにお話を伺いました。

※内容は、取材当時のものです。お問い合わせの際などは、最新情報の確認をお願いいたします。

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(基本情報)
・名前:医療法人杏祐会 三隅病院
・住所:山口県長門市三隅中3242番地 
・設立:1959年 
・社員数:142名(アルバイトパート含)※23年9月1日現在
・公式サイト: https://kyoyu-kai.jp/
・求人募集 有 ※随時、病院見学のご相談可能です!

※精神科病院で、内科もある。(現在、月曜・火曜と水曜・金曜に内科外来あり)

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<目次>

◆お話を伺った方

◆主な事業・特色

◆職場の雰囲気

◆将来の展望

◆なぜ三隅病院で働くことを選びましたか?

◆若者にメッセージをお願いします!

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◆お話を伺った方 ※院長先生は、看護師のお二人と別でお話を伺っています。
・院  長:國生 成司さん 
・看護部長:中塚 稔さん
・看 護 師:清永 葵さん

◎主な仕事内容を教えてください

-(院長)三隅病院は、180床を有する精神科病院です。山口県北部の地域精神科医療を担っています。

◎特色を教えてください

-(院長)精神科医療は、社会や時代によってその在り方が変わっていきます。

 例えば、胃がんは、昔からずっと「胃がん」であり、今日も、これからもその疾患概念は変わりません。一方で、精神疾患である認知症は、今でこそ「認知症」という名称になりましたが、ここに至る長い歴史があります。

 一般的な病院との違いでいうと、「けがをして病院に行く」とすると患者さんも医療者も「けがを治す」という目的が一致しています。しかし、精神疾患はご本人が病気であると認識していない場合もあります。だから医療者としては、精神疾患の知識をつけるとともに、その方がどのような状態にあり、どのようにアプローチすることが必要なのか状況の中で読み取り、判断していくことが求められます。人間や、人間関係への深い理解が求められます。

◎職場の雰囲気は?

-(院長)話しやすい雰囲気、意思疎通のしやすい環境づくりを大切にしています。

 患者さん、医師や看護師など立場は様々ですが、「対等である」と思います。一人の人として大切にされる存在である。カンファレンスや、勉強会を行う際には「心理的安全」を心がけています。

それは、「こんなことを言ったら怒られるのではないか」という雰囲気にせず、よりよい医療を提供できるよう、かかわる一人一人が対等に発言でき、医療の質を高めることができると考えています。

◎これから目指すことを教えてください?

-(院長)県北部の精神科医療の中核病院としてしっかり機能することだと思います。そこでは「働く人」が欠かせません。

 医師については、山口大学と連携し、質の高い医療の提供につなげています。

 看護師については、働きながら資格を取得できる制度を設けています。また精神科の看護師は、一般病院と比べて救急の対応が少ないため、比較的働き方が落ち着いており、中途入職される方も多いです。

 医師看護師以外の職種では、ほぼ地元の方が就職してくださっており、長く働いていただいています。

 安定して医療体制を提供できるためにも、働く人たち一人一人と「働きやすい」病院を作っていくことも大切だと考えています。

 また、今年の6月に『共生社会の実現を推進するための認知症基本法』が制定されました。9月は認知症月間でもあります。三隅病院は、認知症疾患医療センター※にもなっており、時代に即した医療の在り方、そして社会の在り方を実現することが求められています。かつ、その思想やノウハウを地域にも還元していくこと、勉強会などを開き広く市民の方に知ってもらう機会をつくることにも力を入れていきたいと思っています。

※認知症疾患医療センターとは

 認知症疾患医療センターとは、認知症患者やその家族が住み慣れた地域で安心して生活するための支援の一つとして、都道府県や政令指定都市が指定する専門医療機関です。
 認知症の鑑別診断、周辺症状と身体合併症への対応、専門医療相談等を実施するとともに、地域の保健医療・介護関係者等との連携の推進、人材の育成等を行うことにより、認知症の人が地域で安心して生活できるよう、地域における支援体制を構築します。

※山口県のHPより抜粋 【ホームページ

◎若者へのメッセージをお願いします。

-(院長)精神科病院で働くことは自分自身を人としてさらに成長させます。

例えば、先の認知症の方とも接することになります。意思疎通が難しくなるとしても、それは加齢による変化の1つとも考えられます。「自分もいつか老いる」ことや「自分の祖父母との接し方」を考えるきっかけになります。

病院で働くとは、他人事ではなく自分事として人生全体について考えるきっかけになると思います。

左側の清永さんは長門市出身、右側の中塚さんは豊北町出身。いずれも新卒からずっと三隅病院で働いているのだという。

◎なぜ三隅病院で働こうと思ったのですか?

-(清永さん)実は、最初は違う進路を考えていました。しかし状況が変わる中で、たまたま三隅病院なら働きながら看護師の資格取得ができることを知り、希望しました。

最初は看護助手として働きながら学校に通い、5年かけて正看護師の資格を取得しました。その後結婚・出産を経て、今は時短です。基本は9:00~15:30で、ほぼ定刻で帰ることができています。

―(中塚さん)わたしは高校生の頃に入院して、その当時は珍しい男性看護師に担当してもらいました。そこで看護師で働いてみたいと思い、三隅病院で働きながら資格を取得しました。最初に准看護士になり、数年たって30才になるころに勉強にも取り組み、正看護師になりました。絶対ではないかもしれませんが「資格≒職がある」という安心感があります。

◎働いてみてどうですか?

-(清永さん)高校生から、社会人になって、働くというのはすべて未知のことなので、正直大変さはあります。でも、職場の先輩が丁寧に教えてくれるので、頑張れます。

(ナースステーションの様子です。ぼかしています)

◎個人的な目標ってありますか?

-(清永さん)こういっていいのかな。今は、高いところを目指すというより、育児と仕事を両立して日々つつながく過ごしたいという気持ちです。夫も家事育児に協力的で、今の生活が気に入っています。

-(中塚さん)わたしは機会をいただいて役職に就きました。1年半になります。だから、部長としての目標を意識しています。それは、精神科看護をもっと知られるものにしたい。働く人も増えてほしいし、地域にも発信して、生きづらさを感じている人やその支援をしたいと思う人も、誰もが暮らしやすい街づくりに関わっていけるといい、と考えています。

◎若い人へのメッセージをお願いします。

-(清永さん)高校生の頃、自分が看護師として働くなんて思ってもみなかったです。きっかけがあって、情報をたまたま得て、今があります。今の高校生にも、そういった「きっかけ」を掴んでもらえたらと思います。

-(中塚さん)わたしは豊北町から三隅に通っています。若い人が出ていくのが寂しいです。海も山もあって魅力的な場所だし、北部地域にもちゃんと「働く場所はある」と感じています。地域に、若い人もいること、多様な世代が元気に暮らせることが大切だと思います。先輩として、地域をもりあげるよう頑張るので、若い人にも地域に根付いてもらえたら嬉しいです。

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約2時間お話を聞いたり見学させていただきました。あっという間という言葉がぴったりくるほど、興味深いお話を伺うことが出来ました。

個人的に、建物が上から見ると「三角形」になっているというのがすごく魅力に感じました。

精神科病院は回廊型になっていると聞いたことがあります。三隅病院では、それが三角形で一部円形も取り入れられていて、大きなガラス窓もあって、そこから日の光がさす様子は美術館のようでもあります。

実際、現在の建物は2003年に新築されたそうです。

病院の横には、運動場もあります。

三隅病院は、JR山陰線沿いにあります。

ここは、食堂です。コロナ対策で1テーブル一人となっています。コンクリート打ちっぱなしでなんともステキです。

そして、栄養を計算された定食を350円で頂くことが可能です(取材当時)!これは嬉しいです。

この度、取材にご協力いただいた院長先生はじめ三隅病院の皆様、お忙しいところ本当にありがとうございます。

今回取材させていただいた内容は、「長門市しごとセンター」の会報誌にまとめ、市内各地で配布します。手に取っていただけますと幸いです。