実施しました『男性育休取得者・事業者にきく交流会』

こんにちは!NPO法人つなぐスタッフです。表題の件で、イベントが無事終了したので、ご報告します。

実は、応募者を募る段階で応募がほぼはいってなくてドキドキしていました。

「当日行けたら行く」という話も伺っており、蓋を開けると23名の参加をいただきました。心から感謝します。

ゲスト 3名 、オンライン(⁠船崎さん) 1名 、参加者 26名(大人24名 、子ども2名)、つなぐスタッフ3名

合計33名が集い、熱気にあふれた時間となりました。

↓↓企画については以下をご確認ください↓

2025年2月24日(祝日・月)14~16時‗男性育休取得者・事業者にきく交流会

こんにちは!NPO法人つなぐです。 つなぐでは、長門市でイキイキ働く人を増やしたいと考えています。 そのためには、働く人が『家庭も仕事』もどちらも大切にできることが…

【第1部】ゲストによるトーク

女性管理職との座談会に続いて、船崎さんに司会をお願いしました。

船崎さんは、県内で多様な活動をなさっており、今回は男性育休について、山口県警や山口県の行う「やまぐち“とも×いく”応援企業※」の取り組みをご紹介いただきました。 ※令和7年度に内容が変更予定

◎こっこ株式会社 末永光佳さんのお話【従業員が休暇を取得できるよう環境を整えた事業者】

こっこ株式会社は、11名で、年間100万羽の長州とりを育てて出荷しているそうです。

ひよこが届くと、1回あたり7~8千匹を約45日かけて育てるのですが、温度管理や餌の調整など、人が実際に鶏舎で観察しながら調整します。

日々、様子を気にかける必要があり、社員旅行なども行っていないそうです。

そんな中で、1人のスタッフから「育休を取りたい」と相談があったとき、少数精鋭で仕事していて、それなりに経験が必要ですぐに代わりが見つかるわけではありません。職場での話し合いなどを経て「せっかくなら育休を取ってもらおう」と決まって動き出したそうです。「取得した」という事実の裏にある、様々なリアルなことを話してもらいました。

↑下は20代前半、上は80代後半まで多世代で一緒に、自分の「得意なこと」を分担して働いているそうです!

なお、一人が1年の取得をしている間に、もう一人も取得を希望。ただ取りたいと言ってくれたスタッフが「こういう形でどうでしょうか」など自分なりに考えて言ってくれたので「よし、やろう」って職場の全体が前向きになって、思いつく限りの工夫を実行したというお話でした。

「やればできましたね」と仰る様子がとても興味深いです。

↓↓こっこさんへの「男性の育休取得」のインタビューはこちら↓↓

【特集】長門の『男性育児休業』の事例紹介、こっこ株式会社さんに伺いました!

こんにちは!NPO法人つなぐスタッフです。山口県内で「男性育休取得」を後押ししようというかけ声が高まってきている中ですが、これまで「公務員」以外での取得の例を聞か…

◎コープやまぐち 田村さんと、実際に取得した吉賀さんの場合

最初に、コープやまぐちでの仕事の内容を共有いただきました!たくさんのご家庭を日々支えていることがよく理解できました。

男性育休が広がるきっかけとなった吉賀さん。

2人目と3人目のお子さんが生まれたときに取得されたそうです。

コロナ禍に増えた「配達」の要望に対して、人手不足があり、日々大変忙しい職場だそうです。そんな中で、「育休」を取得しようと思ったのは、さすがに3人目になると、奥さん一人に任せるのはよくないと感じたそうです。

それも、お世話になっていた保健師さんから「産後、奥さんは軽トラにはねられたくらいのダメージを負っている」と言われ、具体的だけど想像できないけど、それは大変なことかもしれないと考えたそうです。

↑吉賀さんのお子さん とっても幸せそうな様子に和みます。

↑吉賀さんが、動画を見ながら自分で作ってみたというお弁当♬

そして、田村様から コープやまぐちの業務や働き方の説明とともに、育休取得者の話がありました。

なんと、2024年度は、育休取得対象者5名中全員が育休を取得されたそうです!

コープやまぐち様としてのまとめにおいて、吉賀さんより「育休を本当にとってよかった」という気持ちを再度お話された上で、添えられたのが「育休は自分のリフレッシュ休暇ではなくて、家族の一員として働く意識が大切です。わたしは今、副センター長として取得対象者がいれば積極的に取得を進めていますが、そのときにこの点を強く伝えるようにしています」との言葉です。

つなぐ

休みという名前だけど「リフレッシュ休暇ではない」というのは、本当にその通りと感じています。

会場からは、パネリストの3名と司会の船崎さんのお話に対して、ご自身では育休を取ることのなかったご年配の方々も、とても肯定的に頷いてくださっていました。

その様子が本当にありがたいと感じました。

長門市役所の場合

参加者の中には、長門市役所に転職して1年目に、育休を取得した方も参加されており、気持ちを共有してくださいました。

育休を取ってよい、という働く人の権利を知っていたものの、「転職1年目の自分が、本当に言っていいのかという躊躇があった」との話をしてくださいました。そして、長門市役所では、上司が快諾してくれたことはもちろん、同期入庁のうち3名が育休の取得のタイミングで、初年度ながら全員が取ったとの話を披露してくれました。

取ってみて、妻への愛情が深まるとともに、家族の絆が深まったことを感じています。

そして、職場・仲間への思い、帰属意識が深まりました。

末永さんの話の中で「(育休取得を希望した人が)育休とれなければやめることも考えていた」との話がありましたが、最近の若い人は、転職が当たり前になり、育児や家事の分担も夫婦で分担するのが当たり前になる中で、「育休を安心してとれる」というのはとても大切な職場環境になるのかもしれないと思います。

【第2部】交流会として、会場全体での感想共有

会場の方にも、一人ずつ感想や質問をいただき、それをもとにゲストスピーカーに回答をしてもらいます。

参加者:管理職として育休を推進していく立場だという方から「末永さんが育休中に仕事をしてもらったこともあるとの話があったのですが、それはどのように?」との具体的質問があり、それに対して末永さんがご自身の事例を説明いただきました。

・ある方からは「感想なんですが。12年前に娘が1年の育休を取りました。その職場で初めてのことでした。育休が1年認められた嬉しさより、戻ったとき居場所がないんじゃないかという不安がすごかった。今、男性が育休を取る話をしていて、『夫婦が安心して子を産み育てられる環境がないと、子どもを産めないよね」と。

・「市役所のものです。今、長門市としても『育休取得促進をしたい』と考え動いています」と宣言してくれました。

・別の方は「子どもが3人いるんですが、妻に任せていました。ただ、妊娠時に、妻と話し合いをして、毎日いなくていいけど、自分が限界を迎えているときに代わってほしいとのことでしたので、得意分野をもとに分担したので、育休は取っていないものの、今もラブラブです(発言まま)。」ただ「私自身、妻の出産時に上長から『◎◎という制度もある』と言われたものの、当時は有休取得にとどめました。今、こういうことなんだと改めて感じています。」との新しい視点の話をしてくださいました。

 

・質問で、「育休を望むスタッフについて、何かの変化を感じますか?」と。

 末永さんが回答され「若い人は近くに両親がいるので、最初てっきり思い込んでいたのですが『夫婦で子育てをやりたい』という意向を話してくれて。どうも同世代もそういう感じだと聞きます」とのこと。

・県立大学の学生も一人来てくれました。「ロールモデルがあると、周りの人の意識が変わっていくのを感じます。私の周りは『がつがつ仕事して出世したい』というより、『家族で安定して暮らしたい』という気持ちがあります。それが実現できるなら嬉しい」

・「最近のニュースをみていると高校無償化が目につきます。無料ってことを強調するより、男性の育休取得など、多様な取り組みが必要だと思う。今日の話を聞けて本当に良かったです」

・「私たちの時代と全く違うというか、わたしの時代は専業主婦がもっと多かった気がします。でも今は、共働きが多い中で『育休』というのが鍵になるんだなあと感じました。息子が(結婚して)娘のおむつを替えているのをみて、本当に時代が代わっていることを感じるというか、わたしたち高齢世代が意識を変えていくことの大切さを感じています」

・「『産後の恨みは一生の恨み』というまさにその世代です。その分、男は24時間働けますか?という時代に生きてきました。今は少子化が止まらなくなりました。今働いている人は、高齢化と少子化のどちらも対応しないといけなくなった。今日話を聞いて、上司の理解、職場の理解って本当に大切なんだなあと感じています。育休の取得の研修を義務つけるとか、そういう政策・仕組みがとれたら良いのではないかと思います。また、両方が非正規だと、育休はとれないというのもあると思います。非正規の人の存在も無視できないと思いますので、ここにも手を打てるとよいですね」

最後のまとめ

船崎さん「まとめではないですが、産後鬱などの問題もあることから誰かを犠牲にするのではなく助け合うことが、女性活躍であり、全員での活躍になると思います。また、末永さんや田村さんのお話もありましたが、男性育休取得をきっかけに、職場スタッフが生産性アップに積極的に取り組む姿もありました。働きやすい職場に変えていこうという1つ1つの取り組みが大切なのだと思います」

長門市役所 市民活動推進課 担当者から

企画時にヒアリングする中で「長門ではまだ早いのではないか?」という意見もあって悩んでいましたが、今回開催し、これだけの参加があり、登壇者の方々のお話はもちろん、参加者の皆さんからも積極的なご意見を伺い、この機会をもつことができ、本当によかったと感じています。

参加者の方々も感想や質問を述べてくださり、時間を確保したつもりでしたが、最後はおしてしまいました。発表できない方がいたことは申し訳なく思っています。

アンケートにしっかり書き込んでいただいたので、それをご案内させていただきたいと思います。

↑左から、こっこ末永さん、長門市役所担当者、コープやまぐち 田村さん・吉賀さん

↑イベントの進行:つなぐスタッフ久保田さん

交流会終了後のご挨拶の際、皆さんとご挨拶する中で、吉賀さんから以下のコメントをいただき、ここにも掲載させていただきます。

吉賀さん

私が話すことによって少しでも育休取得者が増え、企業にも働く人にも優しい世の中になってくれると嬉しいです。

アンケート結果

webでの回答 12名、紙面でのコメントのみ回答5名

◆以下は、web回答者の回答です。

つなぐ

開催日時を、今回「祝日の午後」にしました。

このイベントの主旨からすると、長門市内事業者の経営者や役員、人事担当にお越しいただきたいものの、今は人不足で、業務時間に抜けるのは本当に難しいとの声も聞きます。

⇒ 祝日の開催について、結果「よかった」との回答をいただいており、安心しました。

「こっこ株式会社」様の話を聞いての感想

少ない従業員で制度を実行されていることが凄いと思った
◎育休を取り入れたことで生産性が向上した。
◎労働環境(雇用継続条件)の重要な事項となっていること
◎男性育休により業務の効率化が図れ企業側にもメリットがあったこと
◎民間一体(企業や行政が一緒に)となり進めていくことが大切だと感じた。育児だけでなく介護とのWワークについて
◎現状のみならず介護まで見据えた仕事の棚卸し

「コープやまぐち」様の話を聞いての感想

◎先進的な職場と思った。
◎取りやすい環境をしっかり作る事
◎子育ての大変さ、貴重な時間を共有することなど、男性には是非体験してほしい
◎男性育児の大切さ、育休を広げる。休みやすい環境を安心して働ける環境づくり
◎単に休むのではなく趣旨の徹底

つなぐ

「参加してとても良かった」との感想をいただき誠にありがとうございます。

各社の具体的な取り組みを知ることで、ヒントを得て、ほか企業や団体での活用が広がることを願っています。

紙面にて感想を寄せていただいた皆さまからのコメント

◎一般参加者の方

2012年次第一子出産時に、お嫁さんが1年の育休を取得しました(病院の事務職) 

1年という長期休暇取得第1号だったこともあって、「育休明けたら、居場所がないかも」と不安がっていたことを昨日のように思い出しました。 

今日、現況を知り「進んだなー」と一安心 !

課題も抽出され明確になりました。 

もっとこのような交流会が開催されて意見交流が進むと良い方向に向くと思います。 

◎大学の実習で参加された県立大学2年生

男性の育休によって、本人や妻、企業側にメリットがあることがわかった。 

取得しやすい雰囲気を作るには、管理職の認識を変えたり、実際にロールモデルを作ることで取りやすくなると感じた。 

こうした制度や環境を整備することで、若年層の流出や人手不足の対策になるのではないかと思った。 

◎長門市でずっと暮らし、ご自身の子育て後に、子育て支援の活動にも取り組んでいる方

自分自身、パートナー、地域の意識改革をしていくことが大切と思いました 。

◎一般参加者の方

3人の子供がおりますが、男性育休とかはまったく無い時代でしたので、とっても大変だった事を思い出しました。 

良い制度が出来ているので、その制度を周りの人々が育てていかなくては、この制度もうまく利用できないと思います。 

みんなが取れる時代が来て、子供が何の不安もなく生める事を望みます。 

◎長門市に移住し、子育てしながら働いている方

(育休の取得はもちろんだけど) 育休、地域でも支えることができると良いね。 介護、これから必ず出てくることだよね。 

今、住んでいる地区の区長さんから言っていただきました。

こんな言葉が交わせることが 素敵だと思いました。 

育休を“選べる”ことが大切だと思います。 

こんな話がいろんな場でもできると良いですね。 

ぜひ知りたいなと思います。 

素敵な場を設けていただき、ありがとうございます!! 

※つなぐスタッフにて文書を一部要約しています

◎教育現場を中心に支援等を行う立場の方

まずは、しっかりと知ることが大切だと感じました。 

企業だけではなく、学校でも育休取得が増えるためには、社会の意識が変化しないと、なかなか難しいように感じました。 

パネラーのみなさまのように、育休について理解を深め、助言、言いやすい環境づくりなどに努めていきたいと思いました。 

ありがとうございました。 

改めまして、ご参加いただいた皆さま、お話をいただいた皆さま、実施に向け多様にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。